パリで開催されている世界陸上選手権大会で、末次選手が400メートルで銅メダルに輝いた。この快挙は、日本人はいまだ、オリンピック、世界選手権通じて、短距離スプリント競技でメダルをとったことは無かった。それくらい、世界のレベルと日本のレベルはかけはなれていたのだが、末次選手が見事に日本人初の快挙を成し遂げてくれた。鳥肌が立つのは寒いときなどにあるが、感動でも鳥肌はたつ。第四コーナーを回ってほとんど全員がだんごでなだれ込んでくるなかに、日本の末次の姿があった。本当に感動した。しかし、私を決定的に打ちのめしたのは、彼のゴールしたあとのインタビューで、足がちぎれそうになったが、なんとかがんばった」という一言である。こんな壮絶なコメントがかってあったか! 実は私はテレビかラジオのニュースを遠くからきき、末次選手が足がつりそうになった」とのコメントがあった」と聞いたのである。しかし、事実はこんななまなものではなかった! 足がちぎれそうになったのである! メダルとは、たぐいまれな才能の持ち主が、血反吐がでるほどの毎日の練習をつみ、足がちぎれるばかりに走って、そして幸運の女神に選ばれた人のみが初めて手にできる」ほどのものなのである。末次選手に、心から尊敬と感謝の念を捧げたい。August 30,2003

鳥肌が立った。


花咲爺の落書帳